人工知能は資本主義を終焉させるか~経済的特異点と社会的特異点~

人工知能(AI)は急速な進歩を遂げている。アメリカの未来学者レイモンド・カーツワイル氏が、1960年頃から提唱してきた概念を2005年の著書で明確に整理し記したことによれば、「シンギュラリティ・ポイント(特異点)」、すなわち「人類の知性を超越する非生命的な知性」が出現し、その知性が人類の上に立つことで、われわれの想像を絶する社会の大変革が2045年頃にも起こるのだという。そして2030年には、その前段階となる「プレ・シンギュラリティ(前特異点)」が到来するとみられている。だが今後、プレ・シンギュラリティやシンギュラリティの到来時にいかなる社会変革が起こりうるのかを考える際に、お金と経済の問題を抜きには語れない。AIは資本主義を終わらせるのか。モノやサービスの価格はどうなるのか。人間はAIに仕事を奪われ、働かなくなるのか。本テーマのエキスパートであるスパコン開発者と経済学者が描く未来社会図。

 個人的に

 本書は二部完結で第一部が主に「経済的特異点」がきたるべき要因について。二部は、その経済的特異点を包括した社会的特異点が私たち人類に何をもたらすのか?という構成になっている。ただ、筆者の斎藤氏は昨年の12月5に報道されたように、助成金詐欺の疑いで逮捕されており、この本の信ぴょう性については疑問が残るところかもしれない。

 一方で、読んでいて面白いところは多々ありました。その一つは、人間の遺伝子と犠牲についてです。深層学習の中の、NN(ニューラルネットワーク)で用いられる層にDropout層というのがあります。これは、ニューロンをランダムに使用しないというもので、過学習を起こさず、テストデータの結果を向上させられることが確認されています。そもそも、このNNは脳機能をシミュレーションによって表現することを目的としたモデルです。とすると、犠牲によってよりよい結果を得ることを経験的に獲得しているのではと思いました。(細胞のアポトーシスもそうなのかなぁ) 本書では、利己的な行動から利他的行動に移っていくように遺伝子回路に組み込まれているのでは?と指摘がありました。時代の流れと照らし合わせて考えてみることや研究の進境を確認する必要があると思います。

メモ

・PEZY社(斎藤氏社長の会社)は2010年1月に設立。
・社会的特異点

 ➡人間の社会生活、価値観が全体的に大きく変わる点

( ^^) _旦~~

全編にわたって、斎藤氏の著書「エクサスケールの衝撃」の補足のような内容でした

 

 

追記 2018/03/23

 機能と遺伝子をごっちゃにして考えていたので、考え直す必要がありますね。