重力ピエロ 新潮文庫 著:伊坂幸太郎

半分しか血のつながりがない「私」と、弟の「春」。春は、私の母親がレイプされたときに身ごもった子である。ある日、出生前診断などの遺伝子技術を扱う私の勤め先が、何者かに放火される。町のあちこちに描かれた落書き消しを専門に請け負っている春は、現場近くに、スプレーによるグラフィティーアートが残されていることに気づく。連続放火事件と謎の落書き、レイプという憎むべき犯罪を肯定しなければ、自分が存在しない、という矛盾を抱えた春の危うさは、やがて交錯し…。

重力ピエロ (新潮文庫)

重力ピエロ (新潮文庫)

 

 個人的に

 初めて伊坂氏の本を手に取って読んでみました。情報量は多いのに、その上で説明が丁寧で読みやすく、いいなぁと思いました。内容においては、ことあるごとに、言葉を議論する模様がかなり印象的でした。主軸となるキャラクターはちょっと癖があるぐらいにしか思わなかったのですが、読み進めていくうちに、すごい人間臭さを感じました。

メモ

・「重力ピエロ」の意味の推測

通常、地球上で生きていると、重力には逆らえないけれど、ピエロはブランコを使って重力に逆らって飛ぶことができる。そのあがきが背景にあるのかな、と

( ^^) _旦~~

 父親の子供に対する気遣いは年月を経ても変わらず。