日本の年金 岩波新書 著 駒村康平

少子高齢化が進んでいる日本で年金制度はどのようになっていくのだろうか。国民・基礎年金、厚生年金の現状、近年の年金見直しを解説し、直面せざるを得ない喫緊の課題を明らかにする。

 1942年に労働者年金保険(のちの厚生年金)が出来て、70年以上経つ。その間に年金改革は幾度と変化しつつあったが、本日制度そのものにどんな問題があるのか。これまでの背景と共に、解決策を模索する。

日本の年金 (岩波新書)

日本の年金 (岩波新書)

 

 Point

・属人給と職務給

非正規雇用の問題

・世帯規模縮小化に伴う年金制度改革

・自営業への援助

・徴収体制の効率化

・賦課方式 VS 積み立て方式

個人的に

 日本型の雇用システムの問題は、少子化問題にまで影響を与えている。このシステムは、90年代まではOKだったものの、今の生活様式(非正規雇用の増加に伴い、専業主婦の減少などを含む)にマッチしていない。メリットは、①長期雇用、②正社員前提の仕組み、③性別役割分業だった。時代の流れと共に、デメリットへと移りつつある。

 気になったのは、年金財政が未来の予測人口や想定される経済状況を数的予測を用いて計算されるのに対し、医療制度は「近い未来」か「今」機能することを目的としており、後者は超長期的な視点を置かないという点。

 高齢者が働くことについては述べられていなかったが、そこの所を含めた今後が知りたかった。でも読んでて、以前問題になっていた「認定こども園」の必要性を再確認できたので良かった。

 

<日本の税、社会保険料労働保険料の徴収体制は分散している。>