社会学の泰斗 マックス・ウェーバー(1864-1920)がその死に先立って社会学上の重要な諸概念を定義的に明らかにしようと試みた論文。宗教、経済、政治、法律などの各領域で社会学的研究を成し遂げたウェーバーの社会学に関する基本的な考え方を知るために貴重な文献である。なだらかな日本語に移した翻訳書は初学者にもすすめたい
まず始めに社会学と社会的行為についてどのようなものか(=主に定義づけ)が書かれている。以後、社会的集団として生じる闘争という概念や集団としての開放的、閉鎖的意味を探っていく。
- 作者: マックスヴェーバー,Max Weber,清水幾太郎
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1972/01/01
- メディア: 文庫
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個人的に
私は子供の時から哲学とか学術の本はどうして文章がこんなにも硬くて、読みづらいものなのかと不満を感じていた。その解答として本書では次のように書かれている。
無制限の通俗化という要求と極度の概念的正確という要求とは、いつも調和するとは限らないので、そういう場合では、どうしても、後者を重く見ることになるだろう。
著者が読者に分かりやすく説明したいという欲求があっても、分かりやすく書くこと、つまり文章の簡易化によって、言葉や意味が著者の意図するものといつも一致するとは限らない。その場合は内容の分かりやすさよりも、情報の正確さを重視するという姿勢だ。本屋に行くと、「~入門」とか「JPOPから学ぶ~」など、ちょっと学びたいといったニーズに応える書物が増えている。これは多くの方が興味をもつことに役に立つ。しかし問題が残る。内容の簡易化によって著者の伝えたい文章や言葉の正確さは失われてしまう点である。以前書いた天皇の料理番では、料理において、値段が高くて質のいいものが以前は求められていたものの、今は安くて質のいいものが求められるという指摘があった。専門性だけでなく、意味や意図の汲みやすいモノが今は求められている。その部分では料理にも本にも類似性を感じることができると思う。
メモ
・「流行」は習慣の一部
➡ 流行の要因の多くは、身分上の誇りとされている。いつの時代にも「流行」はつきものだが、この根源となる要素はいったい何なのだろうか?
( ^^) _旦~~
習慣・慣習については「法の目的」(二巻) 著 R・フォン・イェーリングがおすすめとのこと