メリー・ゴー・ラウンド (木馬の騎手)・新潮文庫・三浦哲郎

出稼ぎに出たきり戻らぬ父を尋ねて、ひとり東京に着いたキワ、自分は電気仕掛けで動くのだと頑なに信じる少年・作次、晴れ着を着て父親とメリー・ゴー・ラウンドに乗るチサ――。危ういバランスをとりつつ、生と死の深淵を覗き見る子供たち。この、人生の小さな冒険家たちの、様々な死とのたわむれを、清冽な抒情と澄んだユーモアを重ね合せて描く「接吻」「睡蓮」「厄落し」「星夜」「初秋」「ロボット」「遠出」「遊び」「出刃」など12編。著者会心の連作短編集。

木馬の騎手 (新潮文庫)

木馬の騎手 (新潮文庫)

 

個人的に

 この短編集の一編である「メリー・ゴー・ラウンド」を一通り読んでみたかったので、買いました。(今まで絶版だったせいか、文庫本とは思えないような金額で売買されていましたが、kindleで配布されるようになったので、今では買い求めやすくなっています)

 ストーリーは、父親が娘に白い靴や帽子を買い与える場面から始まる。二日後の母親の命日に行く予定を立てており、その過程でときおり見せる父親の行動やしぐさには、何か隠しているような雰囲気を漂わせる。確か、記憶ではセンター試験の追試に出されていた問題だったはず。その時は父親が就寝中の娘を殺そうとするも、娘が急に起きて言葉をかけて、間一髪を逃れる場面の記述でした。その後夜は明けていく…という感じで、父親がまた娘を頃殺そうとするかもしれませんが、そういう可能性を含めた終わり方が特徴的だと感じました。

 

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https://pixabay.com/メリーゴーランド



( ^^) _旦~~

 「苦しい人生を苦しいままの状態で祝福する」か。それでも夜は明けるみたいな…