二十歳の原点 (20170613)

 

独りであること、未熟であることを認識の基点に、青春を駆け抜けていった一女子大生の愛と死のノート。

 

 背表紙に「青春を駆け抜けていった」とあったので、著者の生きる原動力は何かと気になったのだが、筆者は奥浩平の「青春の墓標」が行動の原点になったという。だから、その作品を読んでみないと本著の意味を理解できないので、今回は深く書かない。しかし、序盤に出てくる表現には面白く感じた。例えば、「人間の存在価値は完全であることにあるのではなく、不完全でありその不完全さを克服しようとするところにある。」という文。特に言うことはない。考えていることを言葉にするのは本当に難しい。

 

著者の思考を言葉にする力に、終始圧倒された。作品内には、筆者の詩が載せられている。ぜひみてほしい。

 

個人的に

そこまでに自由を求めるのはなぜなのか?自分の中に見出すことはできなかったのだろうか。

 

 

二十歳の原点 (新潮文庫)

二十歳の原点 (新潮文庫)