船を編む 光文社 著:三浦しをん

ようこそ玄武書房へ

玄武書房に勤める馬締光也は営業部では変人として持て余されていたが、新しい辞書『大渡海』編纂メンバーとして辞書編集部に迎えられる。個性的な面々の中で、馬締は辞書の世界に没頭する。言葉という絆を得て、彼らの人生が優しく編み上げられていく。しかし、問題が山積みの辞書編集部。果たして『大渡海』は完成するのか──。言葉への敬意、不完全な人間たちへの愛おしさを謳いあげる三浦しをんの最新長編小説。

 

舟を編む (光文社文庫)

舟を編む (光文社文庫)

 

 個人的に

 私は単行本で購入しましたが、表紙を外すとストーリー中の各シーンが絵になっています。読み終わった後にでも見てみるとより情景が鮮明になるかも。閑話休題、本作は玄武書房という部署で主人公真面目馬締が一員となって、辞書を作っていく話です。言葉一つ一つを専門家と相談しつつ時間は進みます。一冊を作り上げるのにかかる時間が思いのほか長い。(何十年はかかるとのこと:大言海<辞書>)もちろん、時間だけを費やしているのではないみたい。いかに読み手が理解しやすく、そして使いやすいかという観点は忘れないという背景を含めた小説です。

 

( ^^) _旦~~

会話の中にも辞書に載せるかどうか、言葉の検討項目は隠れている。

 

<言葉とは、言葉を扱う辞書とは、個人と権力、内的自由と公的支配の狭間という、常に危うい場所に存在するのですね>