1+1は2?

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A「ここにリンゴが一個ある。そして近くのお店にリンゴが売っていた。そのリンゴを一個買うと持っているリンゴは二つになります。これは数式で表すと1+1=2である。では1+1が2になるのはなぜか?端的に述べよ!」

B「1+1=2だと決められているからでは?」

A「そう。要は言葉の決まりなのだ。1に続く数を2と決めて+1することによって1の次の後続数である2を示す決まりにしたからだ。これは数学の規約主義(数学は私たちの取り決めである見方)と呼ばれる。規約的真理、つまり言葉の意味によって決められた真理には他に<二等辺三角形の二辺の長さは等しい>や<数学は英語でMathと呼ぶ>などなど。真理には他に経験的真理がある。これは<地球は丸い>とか<先週、台風が日本に接近した>だ。数学で多く用いられているのは規約的真理経験的真理のどちらか?」

B「規約的真理ですよね。ルールに則って行えば誰もが同様に正しく導ける。」

A「ただ、多いのは事実だが、経験的真理がないわけではないよ。用いる規約を選ぶときにどの規約を正しいとするかは経験的に行われることもある。この場合の経験の意味は言葉と世界の事実とを照らし合わせることだ。」

B「一方、規約は言葉の中で正しいかどうか決めるということですか?」

A「そう。経験と規約は互いに区別されているのだ。」

 

 

参考:論理サバイバル 著.三浦俊彦