サイコパス・文春新書・中野信子

とんでもない犯罪を平然と遂行する。ウソがバレても、むしろ自分の方が被害者であるかのようにふるまう…。脳科学の急速な進歩により、そんなサイコパスの脳の謎が徐々に明らかになってきた。私たちの脳と人類の進化に隠されたミステリーに最新科学の目で迫る!

サイコパス (文春新書)

サイコパス (文春新書)

個人的に

 表紙には「最新<脳科学>が解き明かす~ あの人の裏の顔 ~」とあり、サイコパスについて過ごしてきた環境面や身体面、精神面から記述されていて面白い。また、サイコパスが現代においても生き残っているという事実は、人類がなぜ「心」を持つようになったのか?という問いに繋げているのも良かった。テレビや雑誌で以前から言葉としてみかけるようになった「サイコパス」だが、よく書・描かれているのは
① 頭の回転が速い
② 冷酷で残虐
③ 恐怖を感じない
などが挙げられる。(もっとあると思う。)

本書を読むと、上に挙げた項目が絶対に当てはまるわけではないことが分かる。恐怖を感じないというよりかは<恐怖を感じにくい、あることが原因になってできない>のニュアンスに近いと思う。いずれにせよ、今まで持っていたイメージのサイコパスとは大きく異なると感じた。 

( ^^) _旦~~

 今頃になってなんで「サイコパス?」という疑問があったけれど、最近あった事例を挙げると、教師が指導のために生徒に罰を与えると体罰に認定される。このような厳密さがサイコパスを浮き彫りにしてきたのではないかなと思ったりする。

いったいなぜサイコパスは一定の割合で存在するのでしょうか?
その問いを探っていくと、「なぜ人類は<心>を持つようになったのか?」という重大な謎を解き明かす足がかりにも繋がっていくのです。