「やさしさ」過剰社会 (20161217)

「やさしさ」過剰社会 著 榎本博明 を読んだ。

 

人や場合によってそれが「やさしい」と感じるのに違いがある。例えば、先生が生徒のためを思って厳しくする優しさが生徒にとっては優しさだとは思えず、自分の好きにさせてくれないと先生に対して嫌悪感を抱く。勿論、全てこうだとは毛頭いうつもりはないが、そういう例があるということだ。私自身は褒めるよりも厳しいほうが伸びる質だと自覚しているので、今は先生の優しさに共感することができる。本当の優しさは自他共に傷つけてしまうものではあるけれども、生徒にとってはそれが負けん気に繋がり、将来また挫折があったとしてもただでは起き上がらないたくましさを育むことになるだろう。一方、先生も注意したその時は生徒に嫌われたかもしれないけれど、誰かが注意しなければその子はどうなるだろうか。

また、「やさしさ」の問題として昨今の褒めて伸ばす教育とからめているのが本書である。この部分は現代の問題である打たれ弱い若者との関連性を示していて、とても興味深いので是非読んでいただきたい。

「やさしさ」過剰社会 人を傷つけてはいけないのか (PHP新書)

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子どもの意志を尊重しすぎるのも良くない。家族の中でルールや規則を定めておくことが社会に出た時に順応できる。そのために大人は損な役回り(めんどくさいかもしれない)だけれど、その重要性について改めて考えるべきだと私は思います。