職業としての学問 著 Max Weber 岩波文庫

 学問って何だろうという疑問をもった方は多いだろう。そんな疑問に答えてくれるのが昨年で96刷目となる本書だ。

第一次世界大戦後の混迷のドイツ。青年たちの事実のかわりに体験を、教師のかわりに指導者を欲した。学問と政策の峻別を説くこの名高い講演で、ウェーバーはこうした風潮を鍛えらるべき弱さだと批判し、「日々の仕事に帰れ」と彼らを叱咤する。それは聴衆に「脅かすような」印象を与えたという。

 

職業としての学問 (岩波文庫)

職業としての学問 (岩波文庫)

 

 Point

・生計の資を得る手段としての学問

・聴講者の数 VS 学者の性質

・教育上、未訓練の人々に対して求められるもの

・専門家同士の協力の結果

・学問の与えるところ

個人的に

 本書は、「職業としての学問の外面からの状況」、「学問の心構え」などを含み、構成されている。本題通りに沿ったテーマとして、教授は才能ではなく僥倖が大きな役割を担っているということ。これは、著者が教授に至るまでに自己の経験から述べられている。この僥倖には、集団意志による人選の欠陥だけが理由ではないという。ではその理由はという点。そして、他にも学問の二重性や聴講者の数と学者の性質など、大学に行った人、現在通っている人は過去を思い出したり、その視野で見てみると考え方を広める事が出来ると思う。

 

<もし教壇に立つ人のすべてが学生たちの無理な期待にこたえて指導者としての性質をはたらかそうなどと考えたならば、それはきわめて憂慮すべきことである。>