美濃牛 講談社 著:殊能将之
引用文献を見ることも面白さの一つか
「鬼の頭を切り落とし…」首なし死体に始まり、名門一族が次々と殺されていく。あたかも伝承されたわらべ唄の如く。―『ハサミ男』で鮮烈なデビューを遂げた著者の才能を余すところなく表出し、ミステリのあらゆる意匠が豊潤に埋め込まれたこの物語は、新たな探偵小説の地平を切り拓き、2000年ミステリ界の伝説となる。
個人的に
ハサミ男と対照され、ディスられる本書。確かにトリックを楽しみにして読むと劣るように感じますが、文章の魅力は健在でした。今回は村で起こる殺人事件でしたが、ハサミ男と対照的なのは文章量と叙述トリックではないところでしょうか。それを楽しみに読むと拍子抜けすると思われます。でも、自分みたいに純粋に文体や話を読みたいと思う人はいいかもしれません。お茶くみアルバイトの東洋人・アントニオも最後に少しながら登場します。
この著者の書いた小説の中で「なんですって」を多く見かける気がする。だからなんだということもないが。
主な登場人物
・石動戯作:今作の探偵。人の感情に疎いが頭の回転は早い
・天瀬啓介:フリーライター。特徴はない
・町田亨:カメラマン。寝る場所は選ばない
・羅堂家の人々:お金持ちの人々。冷徹。
・古賀好周:大手ゼネコンの社員。石動と同じ大学に所属していた。リゾート開発部(地上げ屋)
・暮枝村の人々:事件を通して、いろいろ騒動に巻き込まれる
( ^^) _旦~~
牛はモー十分だ。
<おまえがからむと、どうしていつも、こういう事件になるんだよ!いいかげんにしろ!>
<僕が殺したわけじゃありませんよ>
<あたりめえだ! おまえ、ディタクティブ・ディレクターなんて肩書きやめて、これからは名刺にトラブルメーカーと刷れ!>