ダンタリアンの書架・角川スニーカー文庫・三雲岳斗
ヒューイは、かつて所領の半分を1冊の稀こう本と引き替えにしたほどのビブリオマニアである祖父から、古ぼけた屋敷とその蔵書の全てを引き継いだ。条件は一つ、“書架”を引き継げ――と。遺品整理に屋敷を訪れたヒューイは、本が溢れる地下室で、静かに本を読む少女と出会う。漆黒のドレスに身を包み、胸に大きな錠前をぶら下げた少女ダンタリアン。彼女こそ、禁断の“幻書”を納める“ダンタリアンの書架”への入り口、悪魔の叡智への扉だった――。
個人的に
"幻書"と呼ばれるこの世にあらざる知識が書かれた禁断の書物をめぐって人々が辿っていく運命とは?
幻書は読み手を選ぶという言葉がよく出てくる。使用方法を誤れば知識にのみこまれて自分自身を見失ってしまう。道具に使われるという意味では、幻書に操られるという感覚なのでしょうか。しかも自分が見えない状態では周りの人やものにどう影響するかを考えられるだろうか。ひとりよがりになってしまうとさらに状況は悪い方向にエスカレートする。ちょっとダークな感じで興味深い。
関係書物
・美食礼賛, 著:ブリア=サヴァラン
・壺中天:後漢書
・Atomic Transmutation:フレデリック・ソディ
( ^^) _旦~~
世にも奇妙な物語みたいな感じ。